三浦事務所
  

【医療法人】メリット

医療法人設立認可申請におけるアドバイスから手続を一括してご対応させて頂きます。個人病医院が法人成りすると、院長には「理事長報酬」、院長の配偶者や後継予定者などその他の理事には「理事報酬」、さらに経費として支出して残った所得が「医療法人の課税所得」として、三者に分散します。

医療法人所得の三者分散(シュミレーション)

個人医院の青色専従者の年間給与(500万円支給する前の事業所得を5,000万円とする(その他経費を支出後)。院長の事業所得は4,500万円/年となる。
同医院が医療法人成り後、「(役員報酬額承認に関する)社員総会議事録」によって年間報酬額の枠を決定して、理事長の年間報酬額を3,000万円、常勤理事の年間報酬額を1,200万円、理事の年間報酬額360万円とすると、医療法人の所得は440万円となる。

 

医院長には「理事長報酬」、医院長の配偶者や後継予定者などその他の理事には
「理事報酬」更に、経費を支出して残った所得が「医療法人の課税所得」となります。

※個人病院時代には、経費として処理出来なかった支出が、損金算入可能です。

<損金算入(経費処理)が可能な項目>

1)理事長、理事、その他役員報酬
2)設備投資資金、運転資金等
3)事業に必要な車両など(当該医療法人名義が望ましい)
4)出張旅費(役員旅費規程等の作成が必要です)
5)医療法人契約の生命保険料、退職慰労金等(役員退職慰労金支給規定の作成が必要です)
(個人医院時代には「経費処理」ができなかった医療法人の定期保険料などが、その全額又は、2分の1を「損金処理」が可能です。
→当事務所は日本生命代理店です。保険内容につきましても、適切なご提案が可能です。

一般的に常勤理事の報酬額は、個人病院時代の青色申告専従者給与所得より高額となる事が多いです。その他理事、非常勤役員にも働きに見合った報酬を支給が可能です。

※理事長、理事、その他の役員に支給する報酬額のうち、不相当に高額と認められる金額は「過大な役員報酬」とみなされます、医療法人の経理処理上、損金算入を否認されます。
(収益、使用人に対する給与の支給状況やその他の医療法人と規模が類似している医療法人の役員報酬により判定されます)

節税効果が期待出来る。

医療法人の実効税率はおおむね26%~35%位となります。これは個人病院時代と比べ低い税率となります。

理事長の所得区分も給与所得となります。

理事長と理事は医療法人から「給与」を受け取ることとなり、理事長と理事の所得区分はともに「事業所得」ではなく、「給与所得」となります。給与所得者には「給与所得控除(給与所得者の「必要経費」に該当します。

理事長、理事は退職慰労金、弔慰金等が受け取れます。

医療法人成りすると、医療法人は「死亡退職慰労金、弔慰金」「勇退退職慰労金」を遺族あるいは、本人に支給することが出来ます。
支給された退職慰労金等の額が、適正額の範囲内であれば、医療法人はその全額を損金算入することができます。

社会保険診療報酬に対する源泉徴収はなくなる

個人医院の場合、社会保険診療報酬は当月分を月末までにまとめて、翌月10日までに提出したレセプト(診療報酬請求書)を基に、院長に支払われます。
支払われる金額は(当該診療月の社会保険診療報酬支払決定額-20万円)×10%相当額が源泉徴収された、残りの金額となります。

例)当該診療月の社会保険診療報酬支払決定額が300万円とすると、
(300万円-20万円)×10%=28万円が源泉徴収されます。

医療法人については、社会保険診療報酬に対する源泉徴収は行われません。
レセプトに基づいて決定した当該診療月の社会保険診療報酬決定額が、そのまま医療法人に支払われます。

医療法人の欠損金(赤字)の繰越控除は7年間

個人医院の院長などの個人事業主の純損失(赤字)は、その年の翌年から3年間にわたって繰越し、それらの年に生じた所得から控除が出来ます。
これに対して医療法人の法人の赤字(欠損金)の繰越控除期間は7年となっております。

医療法人は介護老人保健施設などの経営の認可申請が出来、分院も可能

個人法人は直接、介護老人保健施設の開業、訪問介護ステーションなどの開設申請を行うことは出来ません。
直接、介護老人保健施設などの開設許可申請が出来るのは医療法人、社会福祉法人、地方公共団体だけです。
また、個人医院の業務の範囲は1ヶ所の診療所、病院だけとなっております。
一方、医療法人の業務の範囲は、診療所、病院、介護老人保健施設、看護士学校、医学研究所、精神障害者社会復帰施設などがあります。複数の診療所の開設が可能です。

医療法人の経営者は事業承継計画の立案が立てやすくなります

個人開業医から、その医療機関を承継する場合、開設管理の手続きを一から行うこととなります。保険医療機関の指定や預金通帳などを新しくし又は、相続による手続きも必要になる場合があります。医療法人の場合は理事長と管理者の変更手続きを行うだけで済むので、医業承継がスムーズです。

<参考>
医療法人の相続、事業承継手続きについて
医療法人は医療法において「余剰金の配分を禁止してる」ため医療法人の税引後利益は
医療法人の内部に蓄積保されます。余剰金の内部蓄積が増加するにつれて、理事長が
持つ出資持分の相続税評価額が高くなると考えられます。
そこで、理事長が高齢となるまえから、毎事業年度を終了すると同時に、理事長などの出資
持分の相続税評価額を試算し、将来の相続にそなえることが望ましいです。

医療法人の設立時に、資産の中に含み益のある不動産などがあったり、余剰金の溜まりが
大きくなると場合には

(1)医療法人成りするとき理事長の出資割合を下げてスタートする
(2)医療法人成り後に、理事長の出資持分を後継予定者へ移転してできるだけ引き下げる
(3)出資持分の評価引き下げ対策を講じる

対策(1)医療法人成りするとき理事長の出資割合を下げてスタートする

 
 

対策(2)医療法人成り後に理事長の出資持分を後継予定者へ移転する

 
 

※理事長個人が立案、実行しておくべき相続対策は、贈与する場合は「贈与契約書」の作成および、
財産診断と公正証書遺言の作成等があります。